「ボールを投げてくれるなら、暴投しても全然OK。緩いボールだったとしても、僕は場外ホームランで応えます」
「自分の素直な状態で相手に接して、一対一の関係を作れるように心がけています」
そう語るのは、つくばを「あげる」コワーキングスペース・ミーティングポイント「upTsukuba」を運営する、合同会社for hereの代表・江本珠理(じゅり)さんと、共同代表の堀下恭平さん。

2018年10月1日につくば駅前にオープンしたupTsukubaは、”リスペクトとパッションを持ち合わせた人びとが集い、意志を育み、各々の挑戦につながるための場です。
目の前の作業をこなし、課題と向き合いつつ、ふとした語り合いに開かれている場でもあります。
それぞれの試行錯誤を繰り返していく、up Challengerにとっての秘密基地。”
※upTsukuba Webサイトより
という場所。日々、様々な人が集い、出会い、たくさんの挑戦が生まれている。

あらゆる挑戦は等しく尊い

堀下:「あらゆる挑戦を応援する」というのが、up Tsukubaの立ち上げるときに江本と揉んでいきながらつけた言葉。僕自身のキャッチフレーズみたいにも使っていますが、あらゆる挑戦を応援したい、そう思ってup Tsukubaという場所を作りました。
やっぱり、場所があるほうが何かとやりやすいし、顔を合わせたコミュニケーション取るにしても、サードプレイスがあることはすごく重要だと思います。ここではスタートアップも応援するし、子どもたちの初めてのお遣いも応援します。「あらゆる挑戦は等しく尊い」というのが、僕の基本的なスタンスですね。

up Tsukubaの前に「Tsukuba Place Lab」という場所を作り運営してきましたが、場所が変われば、そこに来る人も変わる。
二つの場所を作ってきましたが、僕がやれることは、挑戦を応援することだけ。僕は特殊技能を持っていないので「お前できるよ、お前やらなきゃ誰がやるの、お前ができなかったら誰もできねーよ!」って言い続けるだけ。それを、Tsukuba Place Labでは筑波大生を中心とした若者に伝えてきました。up Tsukubaは、駅前にあるという立地と、一緒に合同会社for hereを立ち上げた江本とこの場所を運営しているということから、もっと違う展望があるのでは、と思っています。

出会う人に、常に嘘がない自分を見せる

江本:仕事で大事にしていることは、「自分の気遣いを、相手に気付かれないこと」ですね。今まで、法人営業、ゲストハウス運営、コワーキングスペース運営、そしてup Tsukubaというふうに仕事をしてきました。
法人営業時代、「営業はおせっかいだ」と教えられてきました。相手の先回りをして情報を提示して、お客様がスムーズに購入できるようにする、というのが営業。ゲストハウス時代からも、基本的にずっとその姿勢でやってきましたね。自分の気遣いを相手に悟らせないというか。

up Tsukuba以外のところでも、お客様や周りの人に、私の気遣いや頑張りを気づかれないように、という意識はありますね。自分の中にオンとオフがあんまり無いので、そういう気持ちなのかもしれないです。
だから、現場のスタッフから「自分がこれをやりました」と成果をアピールされると、「それはちょっと違うかな」と思います。仕事は主張の無いものだと思いますし。
仕事はお客様ファーストではありますけど、その前に自分の気分が良くないと、お客様に気持ちよく接することはできない。だから、自分の素直な状態で相手に接して、それぞれの方と、一対一の関係を作れるように心がけています。人によって自分のどの面を見せるかというのもありますが、up Tsukuba内外で出会う人たちに、常に嘘がない面を見せる、だったら違和感がないと思いますしね。

「やれるかどうか」ではなく「やりたいかどうか」

堀下:この場所を作るなかで意識しているのは単純に二つあって、「楽しいかどうか」と「ジャッジをしないこと」の二つなんですよ。
僕、あんまり「個人」や「その人がどうであるか」というところに興味が無いんです。それで言うと、江本と僕は全く正反対。
ただ、人が集まった時に「この人とこの人がいる今この瞬間は、こんな場になってほしい」という思いがなんとなく湧いてきます。それは、人を枠にはめたいんじゃなくて、「こういう風に展開していったら面白いのに」にみたいな筋道を勝手に書いて楽しんでいるんです。そして、面白くなるように勝手に誘導したいなと思ってしまう。普段から、けっこう意識していますね。

僕も、オンとオフの境目が無い、常にオンだし常にオフなので、態度や行動で嘘はつかない。僕が関わる事業やプロジェクトも「楽しいから、一緒にやりたいから」という気持ちからでしか始まらないから、楽しい、面白い、という気持ちは大事にしたいですね。

それに、僕は結果しか興味がないから、「やれるかどうか」というのはあんまり考えないですね。「やりたいかどうか」が先に立つ。その理由はそれぞれだと思うんですよ。お金を稼ぎたいから、やってて楽しいから、ちょっとチヤホヤされそうだから、とかあると思うのですが、それぞれがやりたいことを今やればいいかなと。

たとえば、この場に三人いるとして、その三人でどんなことを生み出せるかな、ということはめっちゃ考えています。ここにもう一人入ってきただけでも変わるし、環境でも変わるじゃないですか。
さっきも言ったように、ぼくは個人に興味が無いですし、もっと言うと、自分がどうであるかも興味ないです。
でも、「誰かと一緒に何ができるか」「どんな楽しいことができるか」に興味があるんですよね。だから、up Tsukubaでいえば、江本が「こうしたい」と思っているときに、僕は何ができるんだろう、その先江本はどうなっていくんだろう、さらに人が増えたらどうなるんだろう、というのを考えていくのが超楽しいですね。

誰かが来てくれたら、その人と向き合って本気で考える

堀下:up Tsukubaの「いわゆる」コミュニティーマネージャー的な仕事をしてくれる人が一人欲しい、というのがあります。

僕らもたいがい特殊なキャラだし、たぶん、参加したら相当苦労するとは思うんですよね。マニュアルもなければ枠組みもない仕事もない、「ここで場所を作ってね」という状況になるんだけど、それを三人で楽しめる人に来てほしいです。

それで言うと僕の基準としては、ストラグル(葛藤・もがき・焦り)している人なら、性別・属性・スキルは関係ないです。誰かが来てくれたら、僕はその人と向き合って何が作れるかを本気で考えます。言い換えると、僕ら二人と働きたい人なら、全員ウェルカム、みたいな基準。

相手に求めるものがあるとすれば、スピード感だけかもしれないですね。早い人が欲しい。for hereもできたばかりの会社で、「人を雇いたい」とか言っていますが、やはり自分で考えて自分で行動する人しか採用できないので、勝手に考えて勝手に動く人がいい。

「何かをやりたい」という気持ちで僕らにボールを投げてくれれば、全部しっかりと応える自信があります。だから、「これができるかどうか」が自分で分からなくても、何かをやりたいという気持ちがある人なら、僕らにどんどんボールを投げてきてほしいです。マウンドに立って投げてくれれば、暴投しても全然OK。緩いボールを投げてきたとしても、僕は場外ホームランで応えます。
それに、自分はやったことに対しては絶対に怒らないです。来てくれる人のことは、しっかりと受け止めます。

相手のために、「ついつい」動ける感じ

堀下:僕は「個人に興味がない」みたいなこと言っていますけど、採用に関しては江本のほうが厳しいかもしれないですね。

江本:たとえば、up Tsukubaだと「会員さんは私が守らないと」と根底で思っているので、会員さんに対して無礼を働いた瞬間に「出ていけ」ってなる感じ。攻撃したくてしてるわけじゃないんですけど、例えば、「自分の行動を認めてもらいたい」という気持ちが前に出すぎてしまって、会員さんを優先できない、みたいな、線引きを守れないのは、ちょっと困ってしまいますね。
あと、ここでの仕事は、時給いくらで行うことではないし、ナチュラルにお客様や相手に捧げる姿勢が必要かもしれません。もちろん、これから来てくれるかもしれないスタッフに「自分を差し出せ」って搾取するようなことを言いたいわけじゃないのですが・・・・・・お客様やup Tsukubaの場づくりへに対して「ついつい、やっちゃった」みたいな感じで自然に行動に移せる感じがあると良いかなと思っています。

堀下:江本の場合も僕の場合も、「今あなたの番だからあなたがマウンドに立ちなさい」とは言いたくないですね。むしろ、「江本さん立つんですか?僕に立たせてくださいよ」って来てくれる人が良い。

江本:あと、「コミュニティマネージャーになりたいです」という人もちょっと違いますよね。コミュニティマネージャーは、「なる」というより「なってしまうもの」なので。

「何をやりたいか」を持ってきてほしい

堀下:正直なところ、僕にとっての一番のお客様は、Tsukuba Place Labのスタッフや、up Tsukubaの江本。スタッフが楽しく仕事ができていれば、その場所にも楽しい人が来てくれるし、結果的にその場所を使うお客様も楽しくなる。中にいる人が楽しくないと、楽しいことなんて起きるわけがないので。「場所」そのものに価値は無くて、その場にいる人が価値だと思います。ここにどんな人がいるか重要。
up Tsukubaの中では、江本が楽しめているかどうかが重要だから、江本が楽しくないという要素は徹底的に排除していく。そういうところは、up Tsukubaでも合同会社for hereとしても、僕が一番気にかけているところかな。
それに、次に新しい人が来てくれるとしたら、その人が僕のお客様なんですよね。その人が楽しいかどうか。だから、その人が「何ができるか」は興味無いのですが、「何をやりたいか」は持ってきてほしいですね。僕らの模倣をする必要もなくて、「君の感性でやってくれればそれでいい」という感じです。

江本:仕事の中で、お客様のために自ら考えてプラスアルファでやってくれる行動は全部嬉しいですし、小さくても「こんなことやりたい」という思いを持ってきてもらえると、とっても嬉しいです。
この場所に来てくれるお客様と一緒に、up Tsukubaをより楽しい場所にしていくことができれば、私たちにとってもお客様にとっても、お互いに一番幸せな状態を作れると思います。
あとは、茨城が好きな人がいいですね。まだ茨城に縁が無かったとしても、これから知ろうとしてもらえたらいいなと思います。

「自分は何ができるか分からないけど、とにかくマウンドに立ちたい」
「自分もお客様も楽しめる場所を作りたい」
そんな方は、ぜひup Tsukubaまで足を延ばし、江本さんと堀下さんが持つ熱と勢いを直に感じてみてください。ご応募、お待ちしております。

Writer Profile

佐野 匠

1985年茨城県下妻市生まれ。20代半ばに東京から地元に戻るも、キャリアもスキルも学歴も無かったため、悩んだ末にボランティア活動に参加し、その中で写真、文章、デザイン、企画、イベント運営などのノウハウや経験値を蓄積。最近やっとライターやフォトグラファーの仕事を頂けるようになりました。カッコいいと思うものは、マグナム・フォトとナショナルジオグラフィック。

Photo:鈴木 潤

募集要項

企業名合同会社 for here
ホームページhttps://up-tsukuba.com/
住所(勤務地)茨城県つくば市
アクセスつくばエクスプレス「つくば駅」徒歩2分
雇用形態業務委託・正規雇用(要相談)
募集職種マネージャー
採用人数 1名
給与 月額15万円~
待遇
福利厚生
・雇用保険
・労災保険
・厚生年金、健康保険加入
・ドミトリー形式の住居
・関連のコワーキングスペース利用
勤務時間9:00-18:00
休日 週休2日
仕事内容コワーキングスペースの管理・運営業務
必要な資格、経験、学歴普通自動車運転免許
求める人物像 まちづくりに興味のある方、プレイヤー気質の方
募集期間 2019年7月1日~2020年6月30日
選考プロセスまずは下記「応募フォーム」よりご応募ください。応募後、応募企業より直接ご連絡させていただきます。お問い合わせの場合も下記の応募ボタンよりお問い合わせください。お電話での直接のお問い合わせはお控え下さい。

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