大学進学を機に茨城で暮らし始めた川原田さん。
地元でも東京でもなく、そのまま茨城県内にある株式会社AGREEに就職しました。
川原田さんが、どのような就職活動をして、茨城で働くことになったのか。どんな働き方をし、どんなライフキャリアを目指すのか聞きました。

―まずは今の仕事内容を教えてください。

株式会社AGREEでは、「LEBER」という、いつでも医師に相談できるアプリサービスを提供しています。
広報職で採用いただいて、今は広報と営業を行っています。
最初は展示会に参加して、名刺をもらった方にお電話し、企業の福利厚生としてアプリを使っていただくよう勧めていました。
最近は、県内の自治体にも声をかけています。茨城県は全体的に医師が少ないんです。
医師不足の解決に向けて、自治体と連携してアプリの実証実験を進めています。
あとは、広報として報道関係者向けの仕事もしていますね。

―大学から住んでいる茨城でそのまま就職しましたが、実家がある福島に帰ろうとは思わなかったですか?

姉が地元で就職して、実家に戻っているので、2人も戻らなくていいんじゃないかなと思ってます。笑
親からは、「好きなことやりな」と言われてましたし。

―東京で就職は考えなかったですか?

満員電車が苦手なので、絶対に東京を生活圏にしたくないんです。笑
全然視野に入れてなかったです。

―もともと志望していた業界とかはありますか?

最初に視野に入れていたのは、バイトしていたケーキ屋さんです。
大学で食のプロジェクトをやっていて、レストラン系も候補にありました。
ジャンルとしてはいいなと思っていたものの、しっくりは来てなかったです。

―こんな仕事をするという軸は明確ではなかったですか?

何がやりたいっていうこだわりはなくて。
私が大事にしてたのは、「自分がどうありたくて、誰と働くか」でした。

―なるほど。今の就活のやり方では、やりたいことは大切な軸ですよね。それがないと就活は大変そうですが、悩むことも多かったですか?

そうですね。
私は、どちらかというと楽観的な方で、「どうにかなる!」って思ってました。笑
就活のやり方って、1つじゃないと思っていて。
周りでは、他大学に編入した人や、「やりたいこと」より「どこで」を大事にして「地元で働くこと」を優先した人もいました。
あと、途中から何してるか分からない人もいて・・・
「みんなが真面目に就活してるわけじゃないんだ」って思いました。笑
4年生になって、スーツを着て就活をしてみたんです。
でも、「合わないな」と思って、やめました。
就活を目的にして人と会うことが嫌だなと思ってしまって。
求職者としてみられるのが嫌だったんです。
それで、いろんな社会人の方が来るイベントに参加したりしました。
もっとフラットな関係で働く人と会いたかったので。

―AGREEともイベントで出会ったんですか?

FridayNightBridgeという、つくばで定期的に開催している起業家向けのイベントで、社長とお会いしました。

―やりたいこと軸じゃない就活だと、面接の時に聞かれる志望動機はどうしてましたか?

たぶん、詳しく聞かれなかったかな。笑
最初にイベントでお話した時に、社長から「今何やってるの?」って聞かれて、「ドイツ文学やってます」って答えて。
「じゃあ、うちだとこんな働き方出来るかもね!」って言われました。

―早い!笑

それで「今度1回、会社においでよ。」って言われました。
1日会社見学して、夜に社長とアプリ事業部の先輩と一緒にごはんを食べました。
それで「よし!内定!」みたいな感じになって。笑
今まで、全然就活進まなかったのに、社長と出会ってからは爆速でした。笑

―その後に他の会社を見なかったですか?

その後は、見なかったですね。

―もう就職する気持ちは固まっていたんですか?

初めは社長に押されてってのはあったんですけど。笑
冷静に自分にマッチしているかを考えた時に、自分の中にある「人をちょっとプラスにしたい」「癒やしを与えたい」という想いは医療と繋がりあるなと思いました。
あとは、会社の雰囲気として、ベンチャーなので色々やらせてくれることがかなり大きかったですね。
今まで自分に自信がなくて、自分から行動するタイプではなかったんです。
安定思考にいかないように、やらざるをえない環境に身を置いて、自分ができることを増やしていきたいと思いました。
あと、アプリ事業の方は6名なんですけど、会社の人の顔を全員知りたいと思っているので、小さい会社がいいなと思っていました。

―大学生の自分の延長線上ではなく、社会人からは環境を変えていこうと思ったんですね!

大学の時、周りは自信がある人が多くて、コンプレックスでした。
それで自信を持つためには、「とりあえずやってみて、気づいたらできてた」ってことが大事だと教わりました。

―ベンチャーに行くことに、ご両親は心配してたりしましたか?

心配はもちろんされたんですけど、大丈夫だと言って、で乗り切りました。
親も「学校出たら、自分の人生だから責任持って働きなさい」という感じだった。
就活に関しても、公務員になりなさいとか、そういうのはありませんでした。

―実際に入社してみてどうですか?

本当にやらせてもらってることが多いですね。
あまりべったり教わる感じではないので、まずは自分で考えて分からないところだけまとめて聞く習慣ができてきました。
自分で気づいたことはどんどんやっていいところは、会社の好きなところですね。

―忙しいと思いますが、プライベートな時間は持てていますか?

比較的持ちやすいと思います。
お休みは月何日という形で、大体土日に休んでいます。
忙しくても、生活の幸福度は落としたくないとすごく思っています。
自分の時間を確保しやすいように、会社からとても近くに住んでます。
毎日、家に帰って疲れて終わりっていうのは嫌なので。

―まだ働き始めたばかりですが、今後やってみたいことはありますか?

今は営業に時間を割いているんですが、広報担当としての仕事をもっとしていけるといいなと思います。あと、他のグループ会社の方が何をしているかを理解したいですね。
社内インタビューするとか。
とにかく、できることを増やして、どんどん力をつけていきたいなと思っています。

―1年目から積極的にやりたいことがあって、頼もしいですね。周りの友達の状況も知りたいのですが、今の学生で就活にモヤモヤする人は多いですか?

私を含めモヤモヤしてる友達は多かったと思います。
大学が終わって、いきなり広い社会に出されるのが急すぎる。
もうちょっとエスカレーター式に社会になじみたいと思っていました。
ずっと大学で過ごしていた人たちが、企業と出会う場としてスーツでの就活を捉えていました。
でも、ちょっとそれは無理があるかな。

―壁がありますよね。いきなり面接になっても腹を割って話せない。

企業説明会に行っても、社長や人事の方は出てくるけど、その他の社員の方がどういう働き方をしているのかとか、どういう想いで働いているかは全然見えなくて。
就活の時は、就活生と企業の関係性で、入社したら急に個人対個人になります。
なので、もっとこの人がいいなってところを見つけたいと思っていました。

―川原田さんの就活は、今っぽい形の成功版ですね。
イベントで社会人と会う機会があっても、普通は行くか迷いが出てしまいそうですが。

私の周りには、社会人と友達になりたいという人が数人いて、「今度こういうイベントがあるから、一緒に行かない」と言われて、気軽に参加できました。
どんどん色んな人に巻き込まれて巻き込まれて、今があるって状態です。

―巻き込まれ力!いいですね。
あと、周りの友達も社会人になって、どんな意識で働いていますか?

仕事より生活に重きを置く人が多いかなと思います。
地元で就職したいとか、何時までに帰りたいとか。
仕事は生活の一部で、生活のために働くという意識が高いかな。

―せっかく人生の中の時間を使うのに、寂しいなという風にも思えますね。
仕事以外に、何かやりたいこと、趣味とかが多いんですかね?

そうですね。趣味が多い人ですね。
地元に愛着が多くて、仕事しながら、地元に貢献できたらいいなと思ったりしてますね。

最後にこれから就活をする学生にアドバイスをください。

大人はそんなに怖くないよってことですかね。笑
就活の時だと、「面接官だ」ってビビッてしまうと思うんです。
でも、個人的な話をすれば、全然怖くないので、社会には馴染みやすいと思います。
就活怖いと思っている人には、あんまり面接官だって思わないで、1人の人間として触れ合うといいのかなと思います。

 

「巻き込まれて巻き込まれて、今がある」
やりたいことが決まっていなくて、今の就活のやり方には馴染めなかった。
でも、自分の感性を信じて、「人」を頼りに巻き込まれていって、自分に合う会社と出会っていました。
「自信がないから、とりあえずやってみる」
一見矛盾しているような、この前向きな行動が、良い出会いを引き寄せたんだと感じました。

Writer Profile

若松 佑樹

株式会社えぽっく代表取締役。1985年日立市生まれ。読書好き、ももクロファンクラブ会員(れにちゃん推し)。 都内でITベンチャー、食と農のシンクタンクを経験した後、2014年より茨城にUターンする。 インターン事業を中心に若者の人材育成と地域の中小企業の経営革新を行う。 2018年に株式会社えぽっくを設立し、「働く」と「組織」のアップデートを目指し、兼業・副業や採用支援などにも取り組む。

Photo:鈴木 潤